ワラビ

 概要:

 草原、谷地、原野など日当たりの良いところに群生するシダ植物。春から初夏に生ずる若芽を採取して食用にする。また根茎からとれるでんぷんをワラビ粉としてわらび餅を作っていたが、今は馬鈴薯でんぷんが原料となっている。

 多くの草食動物は、ワラビを接触すると中毒を起こす。白血球や血小板の減少や出血などの骨髄障がい、貧血などが生じる。

主な利用方法

ワラビのあく抜き

 鍋にたっぷり湯を沸かし、重曹をひとつかみ溶かし、洗浄したワラビを投入する。30秒ほど火にかけ、その後火からおろし、自然に冷ます。水をこまめに替えれば、3日ほどはもつ。

煮物・きんぴら・みそ汁・おひたしなど、利用方法は様々。

ワラビ粉

 根茎をきれいに洗浄し、はさみで短く切る。すり鉢で擂ったり、おろし金でおろしたり、水を加えてミキサーで細かく擂る。ふるい(ざる、布等)を通してかすを分離する。取り出した液体(澱粉乳)に水を加えてかき混ぜてから8-12時間沈殿させ、上澄みを捨てる。再度水を加えて混ぜ、30-50時間かけて沈殿させる。上澄みを捨てて乾燥させる。可能であれば上下の層のでんぷんを除き、中間の良質部分のみを利用する。

栽培の方法

栽培上の特性

 日当たりが良く、排水性に優れた肥沃な酸性土壌が適している。有機物の施用や明渠等で排水対策を行う。アスパラガスと同等の吸肥力があるとされている。適切に施肥(収穫量と同量)すると350㎏/反程度の収穫が可能。

 畝は上面60㎝幅、下面100㎝幅程度が目安。

播種・移植・収穫・採種などの注意点

 植付用の根茎は地上部が枯れて、養分が転流した後(11月下旬)に掘り上げる。根茎には新芽がすでに形成されているので、長さが20-25㎝宙に新芽が4-5つ以上あるものを使用する。根茎は乾燥にきわめて弱いので、速やかに植え付ける。

 植付深さも植付幅も15㎝程度。必要な根茎は、200㎏/反程度。

 日平均気温が10-13℃になると萌芽し、積算気温が240℃頃が収穫開始。

 2年目以降は、萌芽前に前年の茎葉残渣を焼き払い、地温の上昇を促す。