わさび

 概要: 

 畑わさび、葉わさび、根わさびなど、育てられ方によって名が変わるが、全て同じものである。

 

主な利用方法

根をわさびとして利用。

葉茎や花を積み、醤油漬けとして利用する。

栽培の方法

栽培上の特性

 ワサビは半日蔭の湿潤地が最適であるが、必ずしも湿地でなくても適湿であればよく繁殖する。冬季も枯れることはないが、寒冷地では寒さや積雪のため茎葉が劣化し見栄えがわるくなることがある。早春から梅雨時にかけて旺盛に繁殖する。耐暑性が低いので、日光の直射を避け、潅水を多めに管理。根域が制限されている環境では、夏から秋にかけて葉が一時的になくなることがある。

 土質は排水性と保水性の両方を確保されたものが適している。微酸性の土壌が適しており、石灰や鉄分が強い土は不適。

 

播種・施肥・収穫の留意点

 種まきは3月か、10月頃が適期で、自家採種したものを使うのであれば、適期を迎えるまで莢ごと湿らせた川砂に埋めて保存する。育苗は畑の土と同量の川砂を混ぜた土に板などで筋を作る。種を1粒ずつ重なり合わないよう適度に間隔をあけて播く。うっすらと土をかけ、たっぷりと水を与える。表面を寒冷さで覆って乾燥を防ぐ。10日ほどで発芽し、4-5か月後には移植できるようになる。

 種を取る目的がない場合は、花に養分を取られないように花芽は早めに摘み取る。

 移植時期は気温が8-30度の範囲が適期。

 株分けは10-11月ごろに、子株のついた株を掘り上げ行う。

 株間は30㎝程度が適度。

 

 葉茎の収穫は適時行う。根は径が3-5㎝になったら、根わさびとして使える。

 

 病害虫として注意すべきは、アオムシと軟腐病。

 アオムシは発見しだい除虫する。軟腐病は高温多湿下で発生するので、風通しを確保して予防。万が一発生した場合は治療できないため、早めに引き抜いて処分する。

特殊な栽培法

 沢わさびの場合は、育苗までは共通で、植え付けの際に川砂を敷き詰め、根茎がすっぽりと隠れるくらいまで土を埋める。土の表面から2㎝くらいの高さまで水を貯め、直射日光の当たらない場所で管理する。プランターを使う場合は水の交換ができるよう工夫する。

 畑わさびに比べて根の肥大が早い。