ユキノシタ

 概要:

 山地の湿った岩場に自生する多年草で、葉は常緑でやや厚く、粗い毛がある。裏面が赤紫色のものが多いが、緑のものもある。細い糸状のひげのようなほふく枝を伸ばして株を増やす。

 名前の由来は、雪の下でも青々としているため、葉の白い模様を雪に見立てている、花の白色を雪と見立てその下に緑の葉があるため、花の色と形状から雪の舌に見立てている、など複数の説がある。

 丈夫なので庭木の下などに繁茂させグランドカバーとしても利用可能。

 中耳炎、しもやけ等に効果があるとされ、生薬名は虎耳草。

主な利用方法

天ぷら、お浸しなどが一般的。塩ゆで、お浸しなどでもアクが少ないため美味であるが、毛による撥水性があるので、味付けには粘度があるもの(みそだれ、ゴマダレなど)が適している。

塩ゆで後、甘味噌につけると、ごはん、パンに合う。

栽培の方法

栽培上の特性

 水はけが良ければ大体どのような場所でも育つ。乾燥には弱いが過失にすると生育が悪くなる。地植えの場合日照りが続く場合のみ潅水する。

 高温多湿と強い光線が苦手であるが、ある程度の日陰でも十分育つが花つきは悪くなる。

 寒さには非常に強く、八街道の寒さでも外で栽培が可能。

 

播種・移植・収穫・採種などの注意点

 4-5月に開花した後種を採取した場合、冷蔵庫で保管し、秋(9-11月)に育苗箱に播種する。乾燥しないように日陰で管理し、本葉が3-4枚でたら、鉢上げする。

 植付の適期は3-6月とされるが、丈夫なので真夏・真冬以外は植え付けられる。根が浅いため、茎を横向きにして、深さ2㎝くらいの浅めに植える。茎は四方八方に伸びず常に一方向に伸びる性質がある。一度植えると植え替える必要はない。茎が伸びすぎたら途中で切る(切り戻す)とよい。

 放置してもランナーを伸ばして繁殖する。ランナーから出た葉が設置したところに発根して新しい株になる。

 また、上述の切り戻しを行った際の茎を3-4㎝に切り、土の上に横に伏せて、その上に1㎝程土をかぶせておくと、発根し成長していく。芽が付いているものの場合は、芽を覆土しないように注意する。適期は花が終わった後の4月頃。

 花が枯れた後花茎を根元から切り落としたり、枯れた下葉を取るなど風通しを良くすると、株の蒸れやカビの発生を防ぐことができる。