ツルニンジン

 概要: 

 山地の林縁や林内に自生するツル性多年草で、釣鐘状の花が面白く、よく鉢植えにされる。古来から薬用、山菜として利用されてきた。根が太く朝鮮人参に似ていることからこの名が付いた。ツルは2m程度まで伸び、傷つけると白い乳液を出してとても臭い。葉は3-4枚輪生し、付け根あたりに3㎝前後の釣鐘状の花を開く。

 漢方として「羊乳」の名で利用され、去痰、咳止め、疲労回復、強壮などの効果があるとされる。

主な利用方法

新芽のお浸し

根をスライスして、グリルしたり、キムチにしたり、揚げ物にしたり、ニンジンと同じように使ったりできる。鶏肉とネギとともに煮込んで、薬膳スープとしても使える。

ツルニンジン酒...ツルニンジンの根の部分3-4個に対して、焼酎1リットルと氷砂糖を5-15gを付け、6か月ほどでエキスが移れば完成。

ツルニンジン茶...スライスして乾燥させた根を粉末状にして、お湯に溶かして飲む。

栽培の方法

栽培上の特性

 半日蔭であまり乾燥しない場所に適している。水はけと保水性を確保し、多湿にならないようにする。花が終わると葉が劣化し始め、冬期には地上部が枯れるが、根を越冬し、翌年発芽する。

 

播種・移植・収穫・採種などの注意点

 種を採取すれば増やすことも可能である。ただし、乾燥に注意しなければならないので、秋口に播いて放置し、春の発芽を待つということも可能。育苗する場合は、10-12月あるいは2-5月に播種し、均等にばら蒔きし、3-5㎜程度覆土する。発芽後は乾燥しすぎないように管理し、本葉2-3枚目のころ、ポットまたは植木鉢に移植し育成し、ツルが伸び始めたら定植する。