ギョウジャニンニク

 概要: ユリ科ネギ属の多年草で、東北より南では高山でしか自生しない。そのため、深山で修行する行者の食べるニンニクということから名づけられたという説が有力。

 成長が遅く、種子から食用適期まで5年を要すると言われている。

主な利用方法

新芽を採取する。炒め物やしょうゆ漬けがおいしい。醤油漬けは保存がきく上に、そのまま酒のつまみやご飯のあてにできる他、炒め物の味付けに使える。

炒め物の際にはニンニクの代わりに使える。揚げ物、天ぷら、お浸し、あえ物など調理方法は様々。

栽培の方法

栽培上の特性

 種、株分けなどで増殖できるが、成長が遅いため、多く収穫しすぎると成長とのバランスが取れず、次年度以降の収穫量が減少する。7-8月の休眠期には葉が枯れるが、良く年春には発芽する。

 午前中からお昼ごろにかけてよく日が当たる、半日蔭の場所が適している。強い日差しに弱いため、西日が当たらない場所を選ぶ。

 水はけが悪いと根腐れや病気の原因になるので、水はけのよい場所を選ぶ。乾燥には弱いので、極度に乾燥する場合には潅水をする。

播種・移植・収穫・採種などの注意点

 種まきと株分けで増殖することができる。

 種は花が咲き終わる7月頃に採取し、播く。種が乾燥すると、発芽率がさらに落ちるので、採取後すぐにまく。まず、水を取り替えながら1-2週間程度、水につけてから用いる。育苗箱に土を入れ、間隔を7㎝程度あけ、1㎝くらいのくぼみをあけ、そこに種をおき、土をかぶせる。半日蔭に置き、土が乾燥しないように水やりをする。次の春に発芽してきたら、茎が5㎝程度になったら定植する。

 株分けの場合、4年以上育った行者ニンニクの株は土中で球根が分権つ擂るので、新たな茎が出てくる。そこで根を切らないように土を掘り起こし球根を切り離して、植え付ける。

 植え付ける際は、畝を10㎝ほどの高さにとり、株間は10-15㎝くらいとする。苗は地表から2-3㎝程度でるようにして覆土する。植付後は十分に潅水する。密植の方が乾燥を防げる。また、密集しすぎた場合は株分けする。

 定植後3-5年で収穫できるようになる。株元を2-3㎝残して収穫。