ウバユリ

 概要: 

 開花期に葉がなくなることから、「歯がないユリ」というかけ言葉から名が付いた。一回繁殖型の植物であり、幼苗のころは春先に地面からつやのある新芽が現れ、5-6月頃には葉が消失する。何年かそれを繰り返すうちに地下の鱗茎が肥大し、ある時期になると葉が消失せずに茎が伸びるようになり、何年か後の夏に太い茎が伸びあがりたくさんの花を咲かせると、秋にはニンニクスライスのような種をまき散らした後その株の一生が終わる。その後春になる旅、その周辺からたくさんの子苗が発生する。

 実のついた茎は生け花にも使われ、種が飛んだあとのさやはドライフラワーとして人気。ゆり根のような鱗茎や若葉を食べる。

主な利用方法

鱗茎は、竹串が通るくらいまで茹でて下ごしらえする。ゆり根と同じように利用できる。

栽培の方法

栽培上の特性

 半日蔭のやや湿り科のある土地を好む。日向でも育つが日照が強すぎると葉焼けを起こすことがある。種からの栽培では鱗茎が食用に適するサイズに達するまでに6年ほどかかる。一回繁殖型の植物であり、花を咲かせると球根(鱗茎)はなくなって枯れてしまう。

 

播種・移植・収穫・採種などの注意点

 播種する際は、覆土はごく軽くするか、あるいは転圧のみとする。風で種が飛ぶのを防ぐために、板囲いをするか、あらかじめ種をもんで羽部分を落としておく。

 球根を植え付ける場合は、10-15㎝覆土する。草丈が高いため倒伏を防ぐためである。十分に育った球根あるいは塊茎を株分けすることもできる。

 鱗茎を利用する場合は、10月以降掘り上げるか、春先5月までに芽吹いた根元から掘り起こすのが容易。

特殊な栽培法