· 

飽食の時代

いきなり我が家に20㎏の肉塊が登場したことを前回のブログに記載したが、うれしい反面なかなかの厄介者である。日ごろから、農村生活に必要なものは大きな冷蔵庫/冷凍庫だと思っていた(旬の食材が、収穫やおすそ分けの結果として、文字通り食べきれないほど入手できる)が、この肉塊はそのニーズを示す大きな根拠だ。しかし、いきなり新たに冷凍庫を買う余裕も場所もなく、ひたすら肉の消費に追われている。日々使うのはもちろんのこと、ベーコン作り(写真は燻製前の塩漬け状態のもの)にトライしてみたり、こんにゃくづくりワークショップをしたついでに豚汁のイノシシバージョンを皆で食べたりした。

さらには、勢い余って肉醤を作ってみようと、塩と麹につけてみたりしている(写真は、かき混ぜる前のもの)。しかし、調理の手間に比べてなかなかなくなる気配がない。そんな時に、宿泊されたお客さんからの救いの一言、「チャーシューどうですか?」

目からうろこな感じで、残る肉塊を醤油ベースのだしで煮ると、肉塊も少し縮み、より保管しやすい感じになり、再び冷蔵庫に収まることになった。

ご近所に配ることも考えたのだが、やはりさばいた当初でないと何となく責任が持てない気もするし、狩猟関係者の冷凍庫にはたくさんストックが貯まっているしで、運よく訪問してくれた方でもないとお渡しできないなんて悩みもある。

この肉が片付かないうちに次が獲れたらどうしようと、捕らぬ狸の皮算用ならぬ猪鹿の肉算用をしているのだが、幸か不幸かまだかかっていない。どうやらまだ気温が十分下がっていないために、野生生物の採食行動がさとやま近くまで十分に降りてきていないようだ。これを狩猟者の間では「喰いこみが足りない」と表現するのであるが、ふとうちのヤギ達を見ると、寒さに備えるためか、がっちり"喰いこんで"丸々と太っている。エサがふんだんに得られる環境に棲んでいるためもあるとは思うが、、、やはり野生の世界は厳しいのかなぁと、すこし猪鹿に同情も禁じ得ない。ただし、獲るときは獲ります!