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ある秋の晴れた日に

稲刈り、脱穀、風選と作業が進んでいることは先日お伝えした通りであるが、その作業で出た稲わらが散乱しているのを見て、お隣さんに「雨に濡れるとおえんようになる(だめになる)」と心配された。やはり始末が悪いと、よそのことでも気になるらしい。手を出していいのか少し躊躇されていたようだ。こちらもどうしようと思っていたところなので、渡りに舟と助言を乞う。すると、今よりももう少し大きな束にして並べておくとよいとのこと。しかも藁束づくりを手伝っていただけることになった。いろいろ恐縮しつつも習い始めると、藁で紐を綯(な)う方法とか、藁束を上下交互に束ねることで束の太さをそろえることとか、やはり昔からの知恵がそこかしこにちりばめられている。また、藁束を積み重ねる時には横積みのみだと崩れるので、端は井桁に組んで押えにするなど、ちょっとしたコツの一つ一つに感心する。そんなところにやってきた区長さん。懐かしそうに、藁束の山で遊んだ思い出話をしてくれる。当たり前だけど、この人も昔は子供だったのだなぁという驚きとともにしばし歓談。できた藁束の山が写真。はさ掛けの終わった我が農地の新たな目印として、また植えた作物のマルチ材料としてしばらくの間活躍してくれるだろう。

藁束を片付ける一方で、秋の作物の収穫。今日は芋ほりだ。二つ異なる品種を植えたのだが、一方(鳴門金時)は貧弱な出来、もう一方(べにあずま)は豊作。同じ作物でも品種によって、土地や気候に合う合わないがある。食味の好みは鳴門金時のホックリ系なのだが、来年からはネットリ系のベニアズマに絞るしかなさそうだなぁ、、、、残念だけど。