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秋の椿事

山間のこの地では、体育の日を過ぎたあたりから夏の気配はすっかり消えてしまい、静かな気持ちで過ごしています。

そんなところに大事件。

今は来年の作付けに向けて畑の土づくりや、夏の片付けの時期ですが、いつの間にかスズメバチが友人の畑のそばに巣を作っていました。一度ハチに刺されてアナフィラキシーショックを起こす可能性(1000人に2人程度とのことですが、用心に越したことはない)のある友人に代わり、ハチ退治。

30分くらい観察したところ、気の荒いオオスズメバチや、キイロスズメバチではないようなので、殺虫剤3本を武器に挑みます。

風上から広めに殺虫剤をまきつつ、少しずつ近づいていく。巣にばかり集中していると、朝のお勤めから帰ってきた働きバチが「おいおい、うちのヤサに何すんねん」とばかりに周りを飛びかう。その時は、慌てず騒がず、「俺は敵じゃないよー」と素知らぬ顔をしつつ、殺虫剤をまき続ける。ハチは急な動きをするものに反応するので、むしろ心の中では木になりきる。でも何かあった際にはすぐに逃げられるような準備(必要最小限なものを携帯。髪にハチが絡まないようまとめる。ハチの来れない逃げ場所〔川の深み〕を確認)をしたうえで、そろそろと距離を縮める。

 

ハチの巣は金枠にかけられているビニールシートに作られているので、その金枠を引き倒し、巣をひっくり返したところで第1ラウンド終了。

巣から攻撃態勢でハチが出てくるのを待たずに、自分たちは退散してお茶休憩。少しハチが落ち着くのを待つ。

小1時間ほど待った後、風上から再び同じプロセス。今度はあらわになった巣の入り口に向かってアプローチ。少しずつ距離を縮めて、最後には入り口から中に向けて殺虫剤でダイレクトアタック。出てくる兵隊たちをことごとく退治。心の中ではごめんねとは思うものの、この一帯での安全な農作業を確保するためには仕方がないよな、、、と言い訳しながら延々と噴霧する。

 

ほんとは、夜中に煙で眠らしてハチの子を食べられると良かったなぁと思いながらも、やっと得た晴天の時間を無駄にできないのが現実。こうしてスズメバチ組との抗争は終結しました。

 

それからも巣があったところに、しばらく出戻りのハチがたむろしていたのが、秋のもの悲しさを深めます。

巣は中のハチをせん滅するために川につけた後、引き挙げて分解してみました。

コガタスズメバチのようです。本来は巣を刺激しなければ攻撃してくることはないというおとなしい種類ですが、作業場のど真ん中に営巣されたため、残念なことになりました、、、。