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お米の数学

 日曜から昨日まで4日かけて、稲刈り(手刈り)・結索・はさ掛け(稲干し)の作業。8人日で、1200㎡程度の稲を処理したので、150㎡/人日程度の処理能力ってことになる。日がな一日、刈って、運んで、結んで、かけてと同じ作業を繰り返しているといろいろなことを考えてしまう。

 その昔、日東あられの宣伝で、コメは8人の手(米という漢字から)によって作られるというものがあった。実際に稲作には手がかかる。自分自身もこんなに一つの植物体に手を触れることはなかった。通常の野菜だと、種まきをしたら、そのあとは、定植や摘心することはあってもあとは大体収穫の時に手を触れるくらい。稲の場合は、育苗、田植え、株元の雑草取り、稲刈り、結索、はさ掛け、脱穀、風選ともみ米の収穫でも8回は触る。この後、もみすり、精米というステップを踏むので、何とも手のかかる作物だ。そば、もろこしなど他の穀物と比べても手がかかる。

 

はさ掛けの前に効率的なはさ掛けの仕方を調べたところ、稲の束を2:8に分けて、交互にはさ台にかけるとより多くの稲束をかけることができるという経験則のよう。図で言うと右図のような感じだろうか?

さて、このモデルの場合、稲束の直径に対して、ハサ木(それぞれの図の中心線)にかかっている弦の部分がちょうど半分であると、一番効率的である。とすると、弦の中心核が60度なので、ハサ木で左右に分かれている面積の比は、5/6π+√3/4 : 1/6π―√3/4 となり、ほぼ33:1の比になってしまって、経験則と結構乖離してしまう。8:1だとバランスが悪くて、ハサ木に引っかからないのか、そもそもモデルが間違っているのか、、、?

 ついでに稲作に関する数字をもう一つ。ごはん茶碗一杯分のコメは大体一株からとれるのだが、この量の稲を育てるために必要な水は20リットル以上とのこと。本当に人の手と膨大な水によって稲作が成り立っているのだなぁと感じさせられた、稲刈りでした。