エゴマ

 概要: エゴマは、ゴマではなくシソの中まで、東南アジア原産とされています。日本では縄文時代から栽培されており、生活になじんだ作物ではありますが、その独特の香りを嫌う人もおり、日本では一部地域(福島、長野、飛騨等)を除いてあまり利用法が知られていません。

 大きく分けて白エゴマと黒エゴマの二種類があり、どちらかというと食用には白、搾油用には黒がそれぞれ適しています。

 エゴマの葉は、醤油漬け、みそ漬け、キムチなどに利用されるほか、肉の臭みを消す作用を生かして生葉を焼肉と一緒に食べたり、サラダに利用されたりします。また、種子はエゴマみそや、すりエゴマをゆでた青菜やジャガイモにあえて食べるなどの調理方法が知られています。種子から取れる油(エゴマ油)は乾性油であるので、和紙に塗布し、油紙、番傘などを作る際に利用されてきました。近年は必須脂肪酸であり、オメガ―3系のリノレン酸を他の食用油に比べて豊富に含むことが判明し、健康食品としても注目されています。

主な利用方法 (調理方法)

エゴマ(葉)の醤油漬け

 材料 エゴマの葉、醤油、ゴマ油、みりん、コチュジャン(あるいは一味唐辛子)、ニンニク、白ごま

 作り方 1. エゴマの葉は水洗いし、十分に水気をとる。

     2. ニンニクをすりおろし、他の材料すべてを混ぜて調味液を作る。

     3. エゴマの葉を一枚ずつ、調味液につけ、タッパ等保存容器ーの中に重ねる。

     4. すべてつけ終わったら、残った調味液もタッパーに注ぐ。

     5. 2時間以上寝かして味を染ます。 アツアツご飯をまいて食べたり、酒のあてに。

エゴマ(葉)のサラダ

 材料 エゴマの葉、レタスやチシャなど、ツナ缶、酢、食用油、塩、こしょう

 作り方 1. エゴマ、レタスなどを洗い、食べやすい大きさにちぎる。

     2. ツナ缶、酢、油、塩、こしょうを混ぜ、野菜をあえる。

エゴマ餅

 材料 エゴマ(種実)、醤油、砂糖、豆腐、酒、もち

 作り方 1. エゴマを乾煎りし、すり鉢でする。

     2. 水切りした豆腐を崩し入れ、再度すり鉢ですり、よく混ぜる。

     3. 鍋に移し、醤油、砂糖、酒を混ぜ、火にかけ、好みの濃度に仕上げる。

     4. つきたて、ゆでたて、焼きたてなど軟らかいおもちにエゴマ餡をかけて食す。

栽培の方法

栽培上の特性 エゴマはあまり土質を選ばず、日当たり、水はけのよい場所であればよく育ちます。吸肥力が強く、またアレロパシーが強いため、耕作放棄地などで雑草を抑えるために活用されることもあります。独特の香気からか、虫に大きく食害されることはありませんが、風通しが悪いとさび病などが発生することがあるようです。

こぼれ種で良く発芽すること、吸肥力が強いこと、またアレロパシーが強いことから、翌年に異なる作物を作付けする場合は、入念に除草する必要があります。

栽培カレンダー

播種・移植・収穫・採種などの注意点

露地に直接播種することも可能ですが、種が小さく、発芽当初は小さいので特に初年度は育苗すると良いでしょう。大きく育ちますので、株間1m、条間1.5mほどに定植、あるいは間引きをします。

種実の収量を増やすためには、30㎝程に育ったら、摘心して、脇芽を伸ばし、またその先も摘芯し、孫枝を増やしていきます。摘んだ部分を葉エゴマとして利用できます。また、適宜葉を間引いて、風通しや内部の日当たりを確保すると良いです。

葉が黄化する前、葉の付け根が硬化して折れやすくなった頃に株元から刈り取り、そのまま畑において種実を追熟させます。 乾燥している時には実が脱粒しやすいので、早朝や雨の後に刈り取り、脱穀は晴れた日に行います。足踏み脱穀機を利用したり、板などに株を打ち付け脱穀し、1日ほど天日干しにして、唐箕などで風選します。その後、種を水洗いし、浮いた良質のエゴマをざるですくい取り、再び十分に乾かします。