栽培方針と方法

 静耕舎での栽培方針は、「できるだけ集落内の天然資源を活用して栽培する」というもの。自然と農薬は自然農薬(例えば炭焼きの際に出る木酢液、草木灰、野草エキスなど)しか使わず、また、肥料も山林から採種した落ち葉や雑木片を堆肥にしたり、生ごみをコンポストにしたものを利用します。どうしても成分的に不十分な窒素分やカルシウム分を近隣の牧場からの家畜踏んで補います。

 また、農業投入財として重要な種苗も必要以上に新たに導入することを控えています。とはいえ、いろいろな野菜の料理と栽培を楽しみたいので、新たな品目については一度は購入や譲受を受けていますが、それ以降は自家採種をしています。

 その他の投入もなるべく化石燃料を利用せず、最初の耕うんはトラクタを使うものの、それ以外は人力や使っても刈払機にとどめています。

 100%の収穫を狙うのではなく、70%の収穫でもあまり農繁期に手をかけないで済ませたいので、草生栽培や自然天敵を利用した防除を採用しています。 具体的なものは作目ごとの栽培方法を以下に紹介していますので、ご参照下さい。

栽培圃場の紹介

家の前の畑

 家の前の畑(およそ1800㎡)では、自然農に近い方法(無施肥あるいは有機肥施肥、全期間無農薬の徹底)で左図の作物を育てています。

 こちらは、自家消費及び宿泊者の食材や、今後実施するおすそ分け用となります。

 マス目はそれぞれ1mで、南北(左図の縦)方向に畝間50㎝、幅1mの畝を立てています。長さが30m近くになる畝もあったので、途中で区切って53本に区画分けしています。

 2017年まで水田として使われていたので、土は粘土質、PH4.5-6.5程度でした。2018年夏も栽培しましたが、水はけが悪く、サツマイモ、ラッカセイ、エゴマを除いて、ほとんどの作物が湿害を受けあまり生育しませんでした。そこで同年11月中旬に、高畝(40㎝程)を立てるとともに、土に牛糞堆肥(3ℓ/㎡)、腐葉土(3ℓ/㎡)、もみ殻燻炭(5ℓ/㎡)、鶏糞(700g/㎡)、有機石灰(100g/㎡)、草木灰(50g/㎡)をすきこんでいます。

 また、取水口付近に貯水池を設置し、レンコン・クワイの栽培を行っています。また、周囲に果樹エリア、育苗用ハウス(3.6mX10m)、ビニールハウスを利用した鶏舎(3.6mX8m)、畑の残渣、落ち葉、生ごみ等を熟成させ畑に返すための堆肥置きを設置しています。

 

田んぼ

商用の畑

果樹圃場

 以下の作物がこれまで静耕舎で育てた経験のあるものです。作物名をクリックすると栽培や利用方法に関してご覧いただけます(順次作成中)。

   穀物の栽培

    イネ(米)、さとうもろこし(たかきび)、ソバ、ゴマ、エゴマ

   豆類

    大豆(えだまめ)、小豆、インゲン、エンドウ、ナタマメ、つる豆(フジマメ)、そらまめ

   根菜

    ジャガイモ、サツマイモ、大根、人参、ゴボウ、カブ、さといも、きくいも、はすね、くわい

   実菜

    トマト、ナス、ピーマン、唐辛子、オクラ、食用ほおずき、きゅうり、カボチャ、

    ズッキーニ   

   葉菜

    キャベツ、白菜、ネギ、玉ねぎ、レタス、にら、空心菜

   ハーブ

    ローズマリー、ミント、シソ、えごま、タイム、パセリ

   山菜系

    うど、おかわかめ、おかひじき

   果樹

    くわ、いちじく、うめ、かき、ラズベリー、ぐみ、くり

   その他

    クロタラリア、セスバニア、ヒマワリ、サトウキビ

山菜の栽培

 静耕舎では野山から山野草を採取して利用していますが、以下のものを作物としても栽培します。一般的に山野草とは分類されないものもありますが、同じ圃場で栽培しているので、ここにまとめて記載します。 

 日向を好むもの

  オオバコゲンノショウコチョウマメタラノキカラスウリガガイモワラビ

 半日蔭~日陰を好むもの

  アマチャヅルヤブカンゾウルバーブヤブレガサツルニンジンこごみウバユリわさび

  ユキノシタシャクヤマミツバミョウガ行者ニンニクウルイ